1. 安請け合いはやめましょう

半導体業界の「ムーアの法則」を説明するときによく使われる逸話をお一つ。

チェスの発明者が当時のインド皇帝にチェスの仕方をお教えすると、「オー何と素晴らしいゲームを発明したことよ、褒美を取らせるゆえに何でも好きなものを言ってみよ」と言ったかどうかはわかりませんが、発明者は答えしました。

「私の望みは大したことはありません。一粒の米をチェス盤の最初のマスに置いてください。次のマスには2粒、その次のマスには4粒、また次には8粒と、前のマスの倍の米粒を64マスまで置いていただいて、盤上にある米をすべていただければ結構でございます」。

「謙虚な奴めよ、よかろう望みどおりにいたそう」と安請け合いした皇帝は米粒の並べられた盤上を見て、首を左右に大きく揺らして驚いたことでしょう。

米粒は、なんと18,446,744,073,709,551,615粒になったのでした。

1965年に、ムーアは「チップの中のトランジスタ数は毎年倍増する」という予想をしたそうで、時は51年経ちましてチップの中はどうなっているのかはわかりませんが、安請け合いはやめましょう。

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