1. 老後に足りない2000万円-悩み多き老後

夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額が5万円で、85~95歳くらいまで生きると2000万円足りないですよ、と厚労省からの発表があって以来、世間は大騒ぎです。

これは結局「長生きするんだから、その分、働かないとお金が足りませんよ」「年金だけでは賄いきれませんよ」と煽って年金受給を遅らせてもらおうという政府の邪な考えのような気がします。

総務省の家計調査での65歳以上の2人以上世帯の平均貯蓄額は2366万円となっていますが、プルデンシャル生命が今年60歳になる1959年生まれの男女2000人を対象にしたアンケートでは「4人に1人が100万円未満」という衝撃的な結果が出ています。

持っている人は持っているのですが、持っていない人は明らかに老後の資金が足りません。

「どうやってそれを稼げばいいのかと」悩み苦しんでいる人に、さらに追い打ちがかかります。65歳になる3か月前に年金受給予定者に年金請求書が来ますが、それには「年金額を増額させますか?」させたい人はこの請求書を提出する必要はありません、と続きます。ここでまた悩み発生です。

この繰り下げ受給を選ぶと、1か月繰り下げるごとに、もらえる額が月0.7%増えていきます。もし70歳受給開始を選ぶと最大42%増加、年間200万円もらえる人なら284万円になります。悩みます。

ここで問題は「長く生きるか自信があるか」で、65歳から80歳までの15年間×200万円=3000万円、70歳から80歳までの10年間×284万円=2840万円なので、82歳にならないと、繰り下げ支給の恩恵に預かれないのです。

人生100歳までと言っても、男の平均寿命は81歳!・・・早くもらった方が得ですよね。悩みなし!

まあ、お金の悩みのない麻生さんは、「会合」費用と称して「飲み代」が2016年1947万円、2017年2019万円ですから、「2000万円足りない」なんて考えたこともないんでしょうねー。

税理士法人SETACS